花嫁と咎人
紡ぎだされる回答、正解。
繋がれた糸は国を変え…貶めた。
鎖国の国、遮断された国内。
広まった“緋色の死神”という未知の病。
それを予防する為の“例の水”と“聖水”。
そしてそれを作る事ができるのは“国外の者だけ”。
…嗚呼、どうして分かってしまったのだろう。
自然とうな垂れる頭。
「…なぁ、それを作ったのは誰だ。」
聞かずとも分かるその答え。
「ん?女神さまだっぺ。」
「その女神様の目の色は?」
重い。
質問をする口が、思うように動いてくれない。
「…あー、綺麗な青色だったなぁ。」
それなのに、聞かなければなら無いこの運命を…
「じゃあ、髪の色は分かるか。」
「兄ちゃん…さっきから質問ばっかだべな…。」
悲劇と呼ばずに何と言う。
悲しそうなレネの顔、暗く沈む俺の心。
まるでそれは夕日のように、只途方も無い闇を残していった。
「銀色だろ。…俺の髪と、同じように。」
開くレネの口より先に、靡いた銀髪。
「…魔女は、死んだ。」
驚きの目で俺を見るレネ。
「……兄ちゃん…その髪、」