花嫁と咎人


同じ色の瞳を持ち、同じ色の髪を持つ。


その女性を、彼らはしっかりとその瞳で見ていたに違いない。


「その魔女の名前は?」


それが、最後の問い。


「どうして、女神様と、同じ…」


俺を見たままレネは小さく口を開く。
震える唇、震える体。


「…早く、言ってくれ」


そして、ケリをつけてくれ。

そうしてくれないと…
俺は動けないから。


揺れる瞳、銀色の残像。


「……女神様の、名前は…」


振り絞るように吐き出された女性の名は、


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