花嫁と咎人
だが、負けじと私も強くなっていたようだ。
反論して、叫び返すけど…
「…あの馬鹿…!」
オズは私から目線を外し、今度は机を殴った。
机の上のグラスが転がり落ちて…音を立てて割れる。
すると彼は小さく息を吐いて「ごめん」と言うと…
再び私に目を向けた。
「オレはもう、アイツが何を考えてるか分からない。…でも、一つだけ言わせて。」
「………。」
暫くの沈黙。
固唾を呑んでオズを見る私。
そして、たった一言。
「あと、25日しかないんだ。」
………。
……25、日。
以前ハイネが言っていた事が私の頭の中を巡った。
『―…5年以内に母及びに遺品を見つけられなければ、自分の人生を義父に差し出す。
そして5年以内に自分が戻らなければ…姉の命を捧げる。』
「…犠牲者が、ハインツだけで済めばいい。でも、違う事…フランちゃんも知ってるだろ…」
オズの悲しそうな声。
それを聞いた時、私はハッと我に帰った。
…私は大馬鹿者だわ。
するとその時、突然家の扉が開いて。
「……!?」
銀色の長い髪を露にしたまま、ハイネが入ってきた。
驚く一同。