花嫁と咎人

  ◆ ◇ ◆


ここは盗賊団ヴァルドヴァレスのアジト。
小さな港町、アンダーレスリバー。


小さな小道の横に止められたポンコツの茶色い車。
の、そのまた脇で、


「帰りましょうよぉ編集長ー…」


とカメラを手におののく男と、


「―それで、キャプテンはどんな方で?」


編集長と呼ばれた女性が、


「ああん?」


賊の一員と思われる女性に対峙…もとい取材をしていた。

明らかに不機嫌そうな顔をしている彼女。
だが、女性も一歩も引かなくて。


「なんでもいいんです、その性格とか…腕前とか。」


そんな彼女にくどさに呆れたのか、女性賊員は大きくため息を吐くと…


「あの人は弓の腕はピカイチだけど、それを引いたらただの変態だよ。」


そう言った。


「…変態?」


「そ。大の女好きで大の遊び人。暇があったら誰彼構わず手ぇ出しては毎晩ヤってんだって。」


「ヤっ…。」


それを聞いて苦笑いする女性と男。

だが、女性賊員はそんな二人の表情を見ると小さく笑う。


「ま、多分だけどね?」


「って、疑問系かい!…ごふっ!」



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