DeepLove−彼の弟−
「留学に未練はないの?」
そう聞いたあたしに健斗は首を縦に振った。
「未練はないよ。べつに留学してなくてもヘアメイクの勉強できるしさ」
……ヘアメイク…
「留学はできなくても、俺は一流のヘアスタイリストなるんだ」
夢を話す健斗は輝いてた。
いつもの笑顔とは真逆。
真っ直ぐな目をしてる。
やっぱり健斗は直斗だ。
思いやりがあって、優しくて、夢に向かって真っ直ぐで。
真面目な顔つきの健斗はますます直斗に似てる。
直斗も時々こんな顔してた。