恋人以上、恋人未満。


「......」
ただかわいいって言われただけ。
なのに何もいえなかったのは...
隼人の瞳があまりにも真剣で切なげで...
その瞳はただまっすぐにあたしを見つめていたから。
いつのまにかもう外にたってるあたしたち。









「理沙?}
「ぇ?!やだなぁ。あたしかわいくなん...キャッ」
隼人は優しくあたしを抱きしめた。
「理沙、何無理してるの?」
「無理なんて...」
「俺が見たかったのはそんな笑顔じゃないよ...」







「隼人??」
通りすがりの人たちがあたしたちをちらちら見ていく。
タイミングを見計らったかのように雷鳴がとどろき雨が降り始めた。
あたしをぱっと放すとあたしの右手を引いて走り始めた。











「はぁっ...理沙大丈夫?」
そういって息を切らす隼人の隣には疲れ果ててへなへなと座り込むあたし。
隼人走るの早すぎだよ。
あたし死ぬかと思った...。
「うん。ここ...??」
目の前に聳え立つ大きな家。
お城って言うより和風な...







広い広い広いお寺って感じ?









< 109 / 179 >

この作品をシェア

pagetop