あの日を追って…


アランが目をあけると、
目の前にはベネチアが心配そうに顔を覗いていた。


『戻ってきたのね…
見た?貴方の求めるもの。』

アランは少し顔をしかめていたが直ぐにベネチアに笑んだ。

「大丈夫。僕はじゃぁ…
シャルのお兄さんなんだね?」

ベネチアはコクりとうなずく。

『私の本体は今危険なの。
私とシャルはリンクしてるの。
だからシャルが今危険と言うことはわかる。』

「リンク…?」

『私とシャルはもともと一つだった。つまり一心同体。私たちはお互いの気持ちを共有するの…シャルの方は感じていないようだけど…』

アランはベネチアさんの
手を握った。

「妹が2人できた気分だ…
ベネチアさん。僕は2人を助けたい。僕はお兄ちゃんだもんね。シャルを助けに行こうか。」

ベネチアさんは
少し目に涙をためると
笑顔で顔をあげた。

『はい、行きましょう!』

ベネチアの笑顔はまるで
幼い子供のようだった。

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