あの日を追って…
え…
けんしゅう…??


「アラン…まさか…」


アランはニコりと笑うと


「はい。日本の九条家に行ってきます。」


アランが…いっちゃう…

でも…
困らせたくない…


「いいと思うわ…私も行かせようと思ったし…アランが居なくても寂しくないし…」


涙が溢れる。
行かないで…
行かないで…
行かないでほしいのに…


その時、アランはぽんっと
私の頭の上に手を乗せてなでた。


「…大丈夫。僕は何処にもいかないよ。ただ、シャルに似合う執事になりたいんだ。」


「アラン…?」


「あはは…。僕はまだ未熟だし、シャルにすぐ馴れ馴れしくしてしまいます。だから…」


「シャルに似合う執事になって帰ってきます。」


アラン…

「そうね…アラン、できるだけ早く、早く帰って来なさいね。貴方ならできるわ。」


「ありがとうございます。シャル…」


そうよ…
何処にも行かない。
ただ距離が遠いだけで
私達は絆で結ばれているのだから。



━━━━━━━えんど
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