あの日を追って…
番外編

18歳の少年

こんにちは。
アラン=ユノ=キャルベリーノと申します。


2年前からシャルの執事をしています。


2年前はお互いに記憶は
なかったけど、今は…


「シャルーご飯できた」


僕の記憶が戻りました。
僕とシャルは兄弟。

でも今は
箱にDNAを封印されたので
血の繋がりはありません。


箱を破壊すれば…
って思うでしょ??


でも、それじゃダメなんだ。


僕がDNAと引き換えに
願ったものがなくなってしまうから…


「アラン。最近馴れ馴れしいわよ。」

あれから2年…
女には気難しい年がいある。

そして
シャルはまだ僕が兄だと
気付いていない。


「申し訳ございません」


僕はそう言って
紅茶を注いだ。


シャルは2年たって
17歳になった。

婚約者のウィリアムに求婚を未だにされ続けているが、シャルは断っている。


「シャルは何故、求婚を断っているの…??」

シャルアムは黙る。

あ…また馴れ馴れしくしてしまった。

「そんなの決まってるじゃない!!何でアランには分からないの!?」


「はあ…」

怒らせてしまった。
そう思うと急に顔を背けた。


「そんなの…他に…好きな…ゴニョゴニョ…」


「…??」

「別にアランは関係ないんだからね!!」


2年前
のシャルから
随分性格が変わった気がする…

僕が悪いのか…な??



-------


まったく…
アランってば…

私…
どうしちゃったんだろう。
必死に堪えているけど
アランと話すと心が…





それを隠すには
こうするしかないのだけれども…


「シャル…」


声変わりした男性の声…
広い背中。長い足。

2年でこんなにも
成長するなんて…
男の人は本当に分からないわ。


「な…なに…??」


前は
もっと普通に話せたのに…


「僕、執事の研修に行きたいんです」


< 60 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop