涙流~~RURU~~
私は渡辺琴弥(わたなべことみ)。



17歳の高校2年生。



父が病気で亡くなってから、母親と2人で暮らしている。



母は私との生活を支えるため、朝早くから仕事へと出かける。



そして時には、



夜遅くに帰宅し、疲れてそのまま玄関で倒れ込み朝まで寝てしまって、       



それに気付き焦っている母の姿をみる事も珍しくはない。



だから、たいてい私は



この空間で、ほとんどの時間を



1人で過ごし、



1人で出かける。



もう慣れたこの空気。



静まり返った部屋の中で、



小さな時計の音だけが耳に入ってくる。




その時計の針は7時半をさしていた。



「まだ時間あるなぁ…」



今朝は早くに目が覚め、



いつもなら時計を睨みながらかけるドライヤーも



今日はとっくに終わらせていた。
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