瞳の中には君が居て



「……………っ!」
「…………先輩?」


だめなんだ。
あたしは竜心と約束したの。
一緒にいるって。
離れるなんて…
あたしが、裏切るなんて…


「…あ……たし…」
「…………せん…」
「…あたし…っ!…竜心を裏切れない……!」



ゆきが居なくなってから、ずっと支えつづけてくれた竜心。
笑顔で――守ってくれた竜心。
なのに…裏切るなんて、できない。


あたしは竜心に何をしてあげた?
何をしてあげれた?


何にも…
何にも…してあげれてないよ。



それなのに別れるなんて…


あたしには…できない。




そんなこと――できないよ…



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