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今日一日の仕事を終えてさっさと塾を出る。

1人暮らしだし夕食を作るのが面倒で近くのコンビニに入り夕食になりそうなや飲みものを適当に購入する。

外に出ると…。

「「あっ」」

「せんせ今帰り?」

「え、うん。荒木君は?高校生なんだし早く帰りなさい。おうちのかた心配するでしょ?それに補導でもされたら…」

内心こんなとこで逢えちゃったのにドキドキしながら平然を装って言ってみる。


すると荒木君の細い眉がピくっと動いたのが分かった。


「ちょっと来て。」

「ちょ…と」

手を引っ張られて近くの公園の奥に連れて行かれる。

「なに?離して、痛い」


「ねぇ。高校生なんだしって何大人ぶってんの?俺確かに年は下だけど、男だからね。逃げらんねぇだろ」


そう言いながら顔を近づけてくる荒木君に初めて怖いと言う感情を覚えて涙が出そうになる。


「泣いてんの?こえぇの?」

木に押しつけられて前には荒木君がいて逃げられない。



「怖がんなよ…」

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