氷の壁 -あなたとの距離- 【中編】
「ご、ごめんね・・・変なあだ名で大きい声で呼んじゃって」

「もしかして、ねまちゃんって私のことなの?」

「・・・らしいよ・・・」

「・・・ありえないわ・・・」


はーとため息をついた。


しおりをはさんで本を閉じる。


題名をちらっと見ると、“氷”だった。


そういえば・・・



「ねぇ、ひとつ聞いてもいいかな?」

「その質問による。話して」

「氷の壁って・・・どういう意味?」




おそるおそる聞くと、彼女はやっぱりねという顔をした。


今までにもたくさん聞かれてきたのかな。
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