少女aの場合
その少女、最強につき
.



――20XX年、春。


九条学園 高等部


入学式


「新入生代表、―――… 一颯凛。」


ざわ、と動揺する会場に、


名前の様に《凛》とした


声が、響いた。

「はい。」

一人の少女が立ち上がり

新入生代表として、文を読む。

【一颯 凛(イブキ リン)】


九条地区に、

彼女の名を知らないものはいないといわれる。

容姿端麗、文武両道

碧色の綺麗な髪に漆黒の瞳

父は有名な一流武道家

母はプロのピアニストで


幼い頃から両親に技を叩きこまれ、

この地区で付けられた名前は―――

《すべてを合わせ持つ少女》
《碧い狐》 など。

それが一颯凛という少女。


そんな彼女が

不良もいるが優等生もいる

そんな九条学園高等部に

入学したのだから―――

会場がざわめくのも当然である。


.
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop