王子様はご主人様!?
「花梨、着いたぞ」
「えっ!?あっ、うんっ!」
あたし、動揺しすぎでしょ!?
「上がっていくよね?」
「あぁ―…今日はやめとく。」
「えっ?」
でもその為に来たんだよね?
「今日は花梨もゆっくり休んだ方がいいし……」
「あっ……うん……」
ずくに彰ちゃんが何を言いたいかは分かった
「でも不安なら俺が家の中まで送るよ?」
彰ちゃんは優しい……
昔より無愛想な感じだけど、優しい雰囲気は変わっていない……
「大丈夫だよ。1人で……」
「そっか…。でも心配だから、これ……」
そう言って差し出された白い紙
これって……
白い紙には携帯番号とメルアドが書いてあった
「今日、これ渡そうって準備してたんだ。何かあったら連絡して?」
「う…うん……」
「じゃあ、またな。」
それだけ言い残して、彰ちゃんは帰っていった
そんな後ろ姿をただ、あたしは見ていた……