王子様はご主人様!?


「すぐに職員室に行って、事情を説明してくるよ。」


「でもその前に花梨ちゃんにちゃんと説明した方がよくね?」


「あぁ。そうだな。」



でも花梨なら大丈夫だろ。


ちゃんと話せば分かって……


「花梨ちゃん!?」



蒼依の声に俺は振り向いた


そこにはジッと俺を見る花梨が立っていた


「あのな花梨、これは…「触んないでっ!!」


……え



誤解してるかもしれない花梨に、手を差し出した瞬間、体を強ばらせた



「……花梨?」


「……最低」


「は!?違っ……」


ボソッと呟くように言った花梨に、すぐに言い返そうとしたが、言葉が出なかった


花梨の瞳には、うっすらと涙が溜まっていたから……


「か…りん……」



「もう知らない…。輝のバカっ!!」



それだけ叫ぶように言って、花梨は走っていってしまった……


俺はそんな花梨を、引き留めることが出来なかったんだ……




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