王子様はご主人様!?
「風呂でも入ってこい。夕食作っとくから」
「……え」
花梨に背を向けたまま話す
「ドレスのままじゃ大変だろ。俺のスウェット貸すから、風呂……えっ」
振り向いて、驚きで目を見開いた
「な、なんで泣いてんだよっ!?」
瞳からポロポロと涙を流す花梨
「あっ、な、なんでもないの…っ。ご、ごめん。お風呂入って……きゃっ!」
ベッドから起き上がろうとした花梨の体を引き寄せた
「花梨……どうした?」
「な、なにもない……」
「花梨、ちゃんと教えて…?何がそんなに悲しかった?」
「っ……悲しかったんじゃないの……」
「ん……」
ゆっくり話す花梨を、安心させるように頭を撫でた
「ただ、やっぱり汚い……とか思ってる?」
「……は?」
汚い……?
「いっ、いいのっ。仕方ないからっ!仕方ないことだから……」