王子様はご主人様!?


「ん?……あっ。」



綾香の手に握られているのは薄いピンクのタオル



「これ、お兄ちゃんのじゃないよね?」



「あっ、そ、それは友達が貸してくれてさ。」



やべぇ―…



花梨から借りたタオル、返すの忘れてた



こんなへましたことないのに……



「お兄ちゃんの…彼女……?」



「いや…ちがっ……」



「お兄ちゃんも、あたしを裏切るの?」



「綾香……?」



「あの人みたいに、あたし意外に大切なものが出来たんだ…っ」



震えだした綾香の肩



――グイッ


「違う!本当に友達のだって!綾香を裏切るなんて俺はしないからっ!」



「ほん…とっ……」



「本当だ。」



「んっ……」



ギュッと腕を背中に回してくる



あの人を…親父を思い出させちゃっダメだ



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