プリクラ童話
「あけましておめでとー。とか」
お正月の挨拶がなぜか二ヶ月後に響く――今日は三月一日。
世間では卒業シーズン、桜ソングが売りらしい。
「元気だった? ちょっと太った? 寒かったでしょ、暖房が効かせてるから。なんか、老けたねー」
二十二年間過ごしたそこは、馴染みあるからか家庭特有の独特な臭いは分からない。
ただ久しぶりに見るお母さんは、どこか頼りなく見えた。
……と、しんみりしておこう。