学園スパイラル~夢と希望と正義とバカと~
「街中でモデルガンを突きだして取材しても、何も起こらない国なんて、ほとんどありません」

 薄く形の良い唇がささやくように言葉を紡いだ。

「へ?」

 ああ、そういえばこないだのバラエティ番組でオモチャの拳銃を持ってどこかの商店街を歩いていた芸人がいたな。

 そんな事を思い起こし日本国旗を見やった。

「それが、どうしたって言うんだ」

 それと鬼ごっこと何の関係があるんだと匠を睨み付ける。まさか、本当にこいつらが住民を扇動していたのかと思うと驚きだ。

「あなたは、今の仕事をするために上京したのですか?」

 低く発せられた唐突な問いかけに隼人は喉を詰まらせる。
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