社長のご指名 *番外編Ⅲ*
小学生になった紗衣は、毎日元気に登校して学校が終わるとその日にあった出来事を話してくれる。




楽しそうでよかったなぁと思う半面、仲間はずれにされてないかなとかそんな事を思い出したらキリがない。





それは鈴だって同じ事で、お友だちと仲良く出来てるんだろうかと思ったりもする。





「私、仕事を辞めようかと思うの。」


「章菜が決めた事にはあまり口を出したくないけど、それでいいの?」


「今すぐってなると契約違反なんかでお金を払わないといけないから無理なんだけど、契約してる仕事は契約が切れるまでね。それ以外はお断りしようと思ってるの。」


「それは朔夜さんに話したの?」


「話す必要ない。」


「話さなきゃダメよ?夫婦間では隠し事はなしにしなきゃ。」





それから、お母さんの優しい口調に促されどうして紗衣が怪我をしたのか、私が実家に帰ると言い出したのかをゆっくりと話した。




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