ビターな彼に夢中[短編]
汗をかいてた私はシャワーを浴びに部屋を出た。


偶然
お兄ちゃんの部屋の扉も開いた。


中からお兄ちゃんが出てきた。


『お前いたんだ。お帰り』

お兄ちゃんは優しく笑った。


『ただいまぁ』


私が返事すると
お兄ちゃんの後ろから女の人が出てきた。


『ヒロの妹さん?こんにちは。』


長い髪をゆるく巻いて
ワンピースをきた、笑顔の綺麗な女の人だった。


『こんにちは…』


私は女の人を見た。


ワンピースから
白くて細い足がすらりとのびて
足には綺麗なペディキュアをしていた。


向かう私はジャージ姿。

冬でもまだ日焼けが残っていた。



『玄関まで送ってくるよ』


お兄ちゃんが私に言うと
女の人は言った。


『駅まで送ってくれないの?』


『近いじゃん。』


お兄ちゃんの返事に
女の人はちょっと機嫌が悪くなったみたいに見えた。




私はシャワーを浴びた。


あの女の人は綺麗だった。

お兄ちゃんああいう人が好きなんだ…


湯気の中で鏡に映る自分が
いつも以上に子どもっぽく見えた。


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