ビターな彼に夢中[短編]
な…なんですか…

智也くん…フェロモン出過ぎ!


いやいや…
私の頭がおかしいだけぇ…?


私はコップの水を少し飲んだ。


智也くんのいるベランダにそっと行くと、智也くんは手すりに持たれて煙草を吸っていた。


お父さんや駅のおじさんの吸う煙草は臭くて嫌いなのに

智也くんが吸うとかっこよく見える…


『智也くん…』


智也くんは振り返った。


『あ、わりぃ。』

私に気付くと
智也くんは灰皿で火を消した。


『あ!大丈夫だょ』


私が謝ると
智也くんは手でこっちにおいでってしてくれた。

私はおずおずと
智也くんの隣に行き夜景をみた。


きれいだなぁ…


私がぼんやり夜景を見ていると
智也くんが言った。


『…ここそんな高い階じゃないけど高台の場所柄、夜景がよく見えんだよ』


智也くんを見ると
軽く頬杖をついて夜景を見ていた。


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