迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「あの…」
俺の部屋。
当たり前みたいに中に入って行くみさき。
どうしていいのかわからずに、後に続くも…
「わっ…」
部屋に足を踏み入れた途端、ゆらりと傾いたかと思うと、
ガクンと、みさきの体がその場に崩れ落ちた。
「大丈夫?」
慌てて駆け寄って抱き起こせば、顔色は真っ青で。
「早く、横に…」
俺はそのまま、みさきの体をベットに寝かせた。
「……っ」
若干朦朧としているのか、潤んだ瞳で俺を見上げるみさき。
頬は紅く。
唇も憂いを帯びていて…
何より、
すがるように俺の手を握り締めるこの掌。
しかも、ここは“俺の”ベットの上。
……ヤバイ。
さっきよりも、ずっとヤバイ。
「く…薬、飲んだほうがいいよね?俺、水持って…」
不自然なくらいに、慌てて視線をそらして。
素早くみさきの手を振りほどいて。
俺は立ち上がった。
……のに。
「……行かないで。」
聞こえたのは、消え入りそうなくらい小さな涙声。
「傍にいてよ…」