秘密の彼氏
竜二と別れてからの家までの帰り道、ずっと携帯を握り締めていた。


塾までサボって、マズイと思うのに、どうして私はこんなにハマっているんだろう。


「ただいま」


と言っても、返事はない。


家に戻っても、両親共働きの我が家は、誰もいなかった。


でも、今日はさっきまでの余韻に浸りたかったから、ちょうど良かったかも。



自分の部屋に戻り、ベッドに寝転がる。


まるで、夢の様な時間だったなぁ。


今までの自分の生活では、絶対に行かない場所、会わない人たち。


何もかもが新鮮だった。


「竜二にハマっちゃダメよね・・・」


ため息をつきながら、目を閉じた時だった。


携帯のメール着信音が鳴った。

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