1分と31秒のとびら。
記憶はおぼろげで、本当にひろったのかすらよく思い出せない。

それがいつのことだったのか、どこだったのか、不思議なほど不透明な記憶。


ただ、その鳥に出会った。


それだけは妙に確信があった。





「ふーん」



由紀はその羽を興味深そうに眺めている。


部屋に差し込む日差しは少し傾いて、威力は弱くなったけど、羽を照らしてはキラキラと輝かせている。

ホント、不思議な色・・・


赤なんだけど、見る方向によってはまったく別の色に見える。




「調べてみるか」



「はい?」


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