風になれ

本格始動

「へー。
 じゃあ博多やめちゃったんだ」

久しぶりの大地くんとの下校。
なかなかしゃべれなかったから
私は南のことを話してみた。

「うん…。
 しょうがないこととはいえ、
 やっぱりショックなんだよね」

南が部活をやめてから
早1週間が経とうとしていたけど
私は南のいない部活には
違和感を感じるばかりだった。
伊久ちゃんはもうずっと
部活を休み続けている。
それだけショックだったんだろう。

「だよなー俺ももったいないと思う。
 あいつ、毎週日曜も学校来て
 ひとりで壁打ちしてたんだよ。
 俺、学校周辺よく走ってるから
 その度見かけてたんだよね」

遠くを見る様に言った。

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