風になれ
「…まぁ元気出せ!
 上手いこと言えないけど
 野風までテンション下がってたら
 博多ツライよきっと。
 あいつが1番苦しんでるの
 わかってんだろ?
 支えてやれよ」

ポンポンと笑顔で優しく
髪に手を置いてくれる。
遠くを見ていたと思った目は
いつのまにか
真っ直ぐ私に向けられていた。

大地くんのこういうとこ
だいすきなんだよね。

「うん、ありがと」

でもさ、と大地くんは続けた。

「1人抜けたからペア替えだな。
 番手戦もあるかもだし頑張れよ」
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