王子な彼の恋は盲目
「ハァ、ハァ…」
汗だくで学校まで戻ってきた時には、雲行きが怪しくなっていた。
「お、どうした秋山」
「あー、先生。体操服忘れちゃって」
「お前もか…?雨降りそうだから早く帰れよー」
「私も?それどういう…」
校舎から顔だけ出して声をかけてくれた私たちの担任の山下先生は、職員室にじめじめした空気を入れたくないようだ。
気になる言葉を残してさっさと窓を閉めてしまった。
「何だよもー…」
革靴から上靴に履き替えた時、外ではどこかの運動部の笛の音が聞こえた。