年賀状の差出人



年があけてから、数日。

かわいらしい封筒が、俺の家に届いていた。





平野星太様

大変申し訳ございません。
住所を少し間違えていたようです。

お手紙ありがとうございました。

その件で、もしよかったら
お詫びさせて頂けませんでしょうか?


花峰美鈴




すごく綺麗な字で書いてあった。


“お詫び”

そんなことを言われると、なんだか俺が申し訳ない気持ちになる。

普通は断るはずなのかもしれない。



だけど、俺には“興味”があった。





花峰美鈴―――…。


いつの間にか、会ったこともない彼女に惹かれていたのかもしれない。


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