ヒミツのお姫様☆
爽は、私の顎をくいっと上に持ち上げ、私の顔を覗きこんだ。
「おまえ……さ……」
低いけれど、どこか甘い声に背筋がゾクリとする。
「俺のこと名前で呼べって言ったときには、拒否ったくせにさ……」
爽は身長が高いので、私と目線の高さを同じにするために腰をかがめた。
「なんで、昴とかが名前で呼べって言ったときはあっさりとOKしたわけ?」
そ……そんなことで怒ってたの!?
……というか、理由なんてないし。
私は下を向いた。