ウラコイ2 銀幕の旦那様






「俺が大学に受かった日。政治家を多く輩出する大学に。…そしたら親父は俺に言った、『流石わたしの子だ』と、そして旬には『お前は好きに生きろ。匠がいるからもういい』って…言った」



「…、ひどい。」



自分の都合で振り回して
挙げ句 好きに生きろって…



ならなんで最初から
そう言わなかったのだろう


「旬は自由になった。なんでも出来る、けど何も思いつかなかった。政治家以外の生き方なんて学ばなかったから…。」




タバコを携帯灰皿に入れた


「……、それから少しして旬は勉強をやめました。学校にも行かなくなった、ある日親父が言った一言に旬は壊れた。『匠を選んで良かった。お前は結局はその程度の人間なんだ』」




あたしは言葉が出なかった



「…俺も呆れたよ。それからですか、旬の口数が減ったのは。元々あまり話す方じゃなかったけど、話さなくなった。感情をあまり見せないのも帝王学を叩き込まれたから…。」



「…」



「こんな嫌な話を聞かせてすまない。…でも知っていて欲しかったんだ。旬が…弟が選んだ人には。旬は話したがらないから…」




「はい。…」




お兄さんはふっと笑った

まるで映画でも見ていた気分だ




急に現実に引き戻されたような感じがした
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