ウラコイ2 銀幕の旦那様
明日のロケ撮影のため
細々したものを用意しあたしはホテルに戻った



ふぅと息をついた。







撮影もあっという間に
今日の分は終わった


「美帆さん」



声だけで旬だとわかった
あたしは振り向かないで言った


「なによ旬。いくらお兄さん出してこようが、あたしは謝らない。」

部屋に戻る
廊下で呼び止められた




「……だからそれは…もういいよ、俺も気が立ってつい口をついて出たんです。あまりにも美帆さんがみちるみちる言うから、腹が立ったんです」


聞き慣れている旬の
敬語にも何だかムカついてきた



「なによコロコロ意見かえて!…あんたが言ったでしょ。みちるを縛ってる…って。けど何日かたったらあぁ言って悪かった…って謝るし。わけわかんないし、あたしはいろんな事に腹立ってるのよ」



地面をみて旬に言う


腹がたつ。


彼は優しい…





「美帆さん。」



「うるさい、うるさい。やっぱり結婚しないっ」


あたしはずかずか自分の部屋に行く。





カードキーで開け
素早く入り 素早くしめる



彼が入ってこないように…






机には 昨日買ったリンゴ飴がふたつ。




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