ウラコイ2 銀幕の旦那様




がちゃとドアが開く音がした




みちる…?





「旬…なによ!勝手に…なんで…」


「槌谷さんに借りたんですよ。カードキー、怒らないでください。」



ひらひらあたしに見せ
カードキーをポケットにしまった



「…なにに怒ってるんですか?美帆さん…、…」



「なにって、あんたよ。あんたが…、」



ちがう…


縛ってるって言葉も
確かにムカついたけど…



あたしは…




「……。」



「…、」





「あたしの事ちゃんと好きなの?」

「…好きですよ。」



ちがう…

聞きたい言葉じゃない。




「どこがいいの?何が好きなの…?」


「言わなきゃダメですか、」



あたしは…





「…言いなさいよ!…ここが嫌い、そこが好き。あれは駄目だとか!もっと…あたしに…文句とか言いなさいよ……、態度で分かるとでも思ってんの!」



「…美帆さん。」




泣きそう…。


鼻がツンとしてきた…




「好きならもっと言いなさいよ…、あたしはあんた…が、旬が言ってくれないから不安なのよ!」


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