ウラコイ2 銀幕の旦那様


「なんかそれで、女も男も嫌いになって…。こういう性格だから演技もクサイとか思って出来ないし、ならいっそ裏方で目立つ仕事しようって…思ったの…」





「そうなんだ。」



一条妹はあからさまに落ち込んでいた




「…確かに夢を持ってる人間といると感じるわよね、惨めさを。でも、適当に選んだ道でも“やりがい”ってのが見えてくるようになるわよ。うまくいかなかったら次はこうしようってヤツ…それを頑張っていって。そうして積み重ねてったら惨めさなんて感じなくなるわよ…」



夢を持ってる人


あたしに
とってその人はみちるで

学生の頃はみちるを
嫌ってケンカしたりもした



あの子のそういうぶれない精神
が羨ましくて仕方なかったのだ




「“やりがい“かぁ…」


「あなたにもあるでしょ…?がんばりなさいよ。失敗してもいいのよ、まだ若いんだからやり直しなんかね、いっくらでもきくんだから…」



ぽんと頭を撫でた


「うん…ありがと。」



「いいわよ。」



いろいろなにか
思うコトがあるのだろう



「…ていうかこの道選ばなきゃちぃ姉に出会えなかったんだもんね、あたしも美帆さんも」



「そうね。」

もし違う道をいったら
彼女には会わなかった



ふふっと二人して笑った






ちょっと気持ちが軽くなった気がした


〈目線終わり〉
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