紫苑の伝え
中学3年の夏。

私は突然右耳の聴力を失った。

理由は分からない。

本当に信じられない事だった。

どこの病院へ行っても、原因が分からなかった。

武器であった聴力の半分を失ってしまった私は、かるたからどんどん遠ざかっていった。


実力が大幅に落ちてしまった私は、競技かるた部をやめた。

その後、競技かるた部は廃部となってしまった。

部員達はみんな他の部活に入った。

部活に入らなかったのは私だけだった。





気づいたんだ。




私は


かるたに裏切られた。


< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop