恋の教習所

「明日ね。明日時間が合ってよかったらまた入っておいで。」

谷川教官の思いがけない一言。

しょんぼりしてしまった私を見かねてのことなのか。

それでも私には嬉しかった。

「はい！是非よろしくお願いします。」

だから、私は笑顔で返事をした。

少しでもその好意に思いが伝わればいいなと思いながら。

私の言葉に

「じゃあ明日ね。お疲れ様！」

谷川教官も笑顔で返してくれて、事務所を出て行った。


“明日ね。”


私の中でもう一度繰り返されるこの言葉。

もちろん谷川教官の声で繰り返される。


うん、明日も頑張ろう！！


笠井君と一緒に所長に挨拶をしに行って、事務所にいる他の職員に挨拶をして自分の荷物を手に持った。

同じく笠井君も荷物を持って。

タイムカードを切る。


駐車場まで一緒に出て、また明日と声をかけてから私は車に乗った。

そしてすぐにケータイを取り出す。

友紀に連絡をするために。

・・・・・電源を入れると友紀からメールが来ていた。

【私仕事終わってコンビニにいるから、終わったら電話ちょうだいね！】

このメールを見て、私はすぐに友紀に電話をかけた。


しばらく話をして、二人の家の距離から考えて真ん中にあるファミレスに行くことになった。

私は車のエンジンをかけて、待ち合わせ場所目指してアクセルを踏んだ。