夜色オオカミ




「俺はここにいる全ての奴らの支えになれる存在になりたい。

不満が出るような当主につきたくないのは当然だ。

だからこそ俺は親父の三倍努力する。

黒い狼という強い力を初めから持ってるんだ。


…何も出来ないことはねぇだろう?」



ニヤリといつもの余裕な笑みを浮かべて。







十夜は……なんて強いんだろう。



コンプレックスさえ強味にかえて、晴れやかに笑う。



どうしてここの人達が…年若い十夜を若様と慕って心から敬っていたのかがわかった。



みんな…十夜がどれだけ真神を大切にして努力をして守ろうとしているのか、知ってたんだね。



どれだけ、この人が当主にふさわしいのかを……。










あたしも臆病な自分を変えたいって思った。



この人の隣にふさわしい人になりたい。



心からそう…思った。










真神十夜という人に惹かれてやまない訳が……この日、はっきりとわかった気がした。











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