夜色オオカミ
「十夜は本当にがんばってるんだね……。」
あたしは本当に十夜を尊敬してそう言ったんだけど……
十夜はそんなあたしにニヤリと不適な笑みを浮かべて
「そうだろう?俺はこれでも色々とがんばってんだよ……。
そんな俺でも癒しは必要だと思うだろ?」
そう意味深に笑うとあたしの腰にするりと手を回す。
「……とっ、十夜…っ…」
突然の接触に戸惑うあたしの顎に指をかけて……
「おまえは俺がやっと見つけた癒しなんだからな……?
おまえにはいくらだって甘えてやるから……覚悟しとけよ?」
「………!!」
とろけそうなほどの甘い眼差しを近づけて………。
「……祈咲……。」
「……っ…」
あたしに人間の姿で初めてのキスをくれた……。
「………ぁ…っ…」
初めてのキスにぼんやりしてしまったあたしに十夜は……
「まぁ、逆もしかりだからな……?
俺にはいくらでも甘えてろ……。」
「~~~っ!……じゃあ……もう…いっかい……。」
「……っ!!
…いくらでも。姫君の仰せのままに……」
二人の唇がもう一度…ゆっくりと重なった……。