夜色オオカミ




出来ることならもう一度逢いたかった。



あなたに聞きたいことがたくさんたくさんあるよ…。



それから、







『ごめんね…』って、そう言いたい。



何も知らなくて、ごめんね…って……。



自分のことよりも、なにより愛しい人を心配していた優しいあなた……。



本当だったら、



普通の姉妹として同じように成長してあなたと過ごしてみたかったよ……。



きっとね?



意地っ張りでしょうがないあたしを優しく諭してくれるに違いないよね……?



心花……。



どうしてあたし達…普通の姉妹じゃいけなかったのかな……?







そうすれば―――……












「………っ。」



そこまで思って思いきり首を振った。



最低だ……あたし……。



そんなどうしようもないもしもの話なんて考えて……っ。



「ごめんね……!ごめんなさい……っ。」



あなたにあまりにも失礼だ―――









ぎゅっと胸を押さえて心花に向かってあたしはひたすら涙を流しながら謝り続けた。








他人ばかりを気遣う優しい心花に対して…



自らの自分勝手な気持ちが情けなくて堪らなかった。









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