夜色オオカミ




「だって……!

萌が死んだら俺はこの先どうやって生きていったらいいんだっ!?」



怒られた灰斗は涙目をして必死に萌花にすがる。



萌花はその大きな手をブンッ!と振り払い



「死にゃあしないって言ってんでしょう!?

大げさすぎるのよ!!馬鹿オオカミっ!!」



「萌花ぁ~~!」



あたしはポカンと呆気にとられてそのやりとりを見ていた。



まさに見事な溺愛っぷりだ。



さすがは人狼とでも言うべきか。



迷惑そうな萌花に怯むことなく灰斗は萌花から離れない。



相変わらず灰斗のお尻には見えないしっぽが引きちぎれんばかりにブンブンと振られてるみたいだった。







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