夜色オオカミ




『転校生の………真神十夜です』



忘れもしない



あの黒くて澄んだ瞳。



でも現れたマガミトウヤは《真神十夜》で……。



あたしの知ってる狼じゃなかった。



どういうこと……?



クラスでは女の子達がきゃあきゃあ騒いでる。



噂以上のイケメンに。



紹介された真神十夜は真っ黒な毛皮もなければ耳やしっぽもついてない。



真っ黒なさらさらした髪だけど、長身に引き締まった細身の体…鼻筋の通った高い鼻、薄めの形よい唇、そして…印象的な切れ長の黒い瞳。



どこをとってもすっごい美形。



あたしは凍りついたように転校生の真神十夜を見つめていた。








「……どうぞよろしく。」



「………!?」









真神十夜の黒い瞳は



――――間違いなくあたしを見てた。








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