夜色オオカミ
「戯れ言など充分だ。
月は満ちた…
私はもうこれ以上待つ気はない。
この手に私の愛する花嫁を手にしたい。
おまえは自分の花嫁を譲る気はないだろう?
ならば…道は一つ……!」
挑発にも乗らない十夜に焦れたのか…ザッ!と、紫狼が低く身構えた。
グッと地面を大きな前足で踏みしめる。
それは今にも飛び掛からんとする攻撃の態勢…。
――――グルル…
低い唸り声は明らかな威嚇。
ギラギラと光る本気の瞳。
もう…紫月さんに引く気はないんだ…。