夜色オオカミ
――――ジャッッ!!!
険しい爪が地の土をめくりあげ、紫狼が十夜目掛けて飛び掛かった。
十夜は瞬く隙も無いほど瞬時に黒い狼へと変身し、逃げる事なく真正面から向かい合い跳躍した。
――――ドカァ……ッ!!
満月を背に…二頭の巨大な狼が空中でぶつかりあった。
固い筋肉がぶつかりあう音に、…あたしは息を飲んだ。
吐き出す息すら、震えている。
気づかないうちに握りしめていた拳はほどけなくなってしまいそうな程、固く、きつかった。