夜色オオカミ
「これだけのことをしておいて……償いなどとは、言わない…。
信じろと…言える立場でもない…。」
「………!」
紫月さんがチラリと横目を動かすと、こちらを威嚇するように険しい目を向ける人狼達の姿があった。
何を考えているのか読み取ることの出来ない淡々とした表情で…あたしの心の奥の戸惑いをわかっているようだった。
そして、紫月さんは言った。
「だから、……君の直感で決めるといい。」
「直…感……?」
「………。」
コクリと一つ頷いて
人狼の力など持たないあたしに
彼は、
そう…言った。