夜色オオカミ
「何を…言ってるんですか……?」
震えたような声が出たけれど、彼はあたしの話しなんて聞いていないのか、次にきょろりと辺りを見回して
…小さな二人に目をとめた。
後悔の滲む悲しげな顔をして二人を見つめた。
「紅、蒼……。君達の教育係として…私は幸せであったのに…
次は、けして間違えないと…誓う…。」
「「紫月……?」」
いきなり声をかけられ、二人も難しい紫月さんの言葉に揃って首をかしげていた。
そして、紫色の瞳が再度あたしに向けられる。
「……直感と、言っただろう?
私の、希望とも…言える。
だから…君が私に感謝する必要はない。
心花も、それを望むのではないかと…勝手に思っている…。」
「望み…?」
ポツリポツリと言葉を紡ぐ紫月さん…
うまく理解出来ないのに、……胸がざわめいて仕方無かった。