夜色オオカミ




そしてあたしは高校を辞めた。



萌花はすごく残念がっていたけど、あたしが妊娠した事実に彼女はすぐに理解してくれた。



大喜びな十夜はとりあえずは学校に行きながら、ほぼ、真神で経営している会社でこの先トップに立つための猛勉強中。今まで以上に毎日を忙しく過ごしてる。



十夜のお祖父さんもすごく喜んで…お父さんなんかははしゃぎまくって毎日のようにベビーおもちゃを買いあさってる。



だけど、



年齢的に…やっぱり早い妊娠には…



…いいことばかりじゃない。



真神家では大喜びの事態でも、あたしのパパとママには頭の痛すぎる展開だったわけで…



あたしはものの見事に勘当を言い渡された。



その時から真神家で生活中。



十夜が毎日のように頭を下げに…説得に行ってくれたけど、頑として認めてはくれなかった。



十夜が一生懸命頑張ってくれたけど、あたしも暫くは距離を置いた方がいいと、十夜に伝えた。



あたしが身籠ったのは…《人狼の子》。



力の不安定な生まれた赤ちゃんは小さな狼だ。



それを受け入れるには…パパとママにはまだまだ早すぎる気がするから。



あたしは気長に構えることにしたんだ。



いつか、わかってもらえたらいい。



孫と逢ってくれたらいいと…希望は捨てずに思ってる。










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