夜色オオカミ




じっと、何だか機嫌の悪い十夜を見つめていると



「なんでもう帰るんだよ。」



…ぼそりと一言。



「…………!」



ふいっと向こうを向いた十夜の顔はほんのり赤い。



あたしが、帰るって言おうとしたから拗ねてる……?



「すげぇ楽しみにしてたのは…じいさん達だけじゃねぇぞ?」



「………っ!」



十夜って…十夜って……










「…まだ、帰るな。」



「………!!」












素直で真っ直ぐで…



あぁ…もう、本当に………










「もう、大好きだよ……。」



「………!!」













あなたには絶対、適わない。










< 97 / 472 >

この作品をシェア

pagetop