君の温もり
ただの友達。
「さっほ~、おはよう!」
陽気な声で私の名前が呼ばれたのとほぼ同時に、頭に衝撃が走った。
後ろを振り返ると、ヒラヒラと手を振りながらニヤニヤ笑っている優臣がいた。
「いったいな!あんた私をなんだと思ってるのよ?」
「男友達?」
バシッ一一
今度は私が優臣の頭をはたいた。
「紗歩の馬鹿力め」
「優臣が悪い。」
言ったり言われたり。まるで小学生みたいな言い合いを私たちは毎日のようにしている。
高原 紗歩。
これでも一応、高校2年。
友達の七塚 優臣とは、中学からの仲。