近くて遠い君へ
「…え?

あっ…」

いつの間にかキラキラ輝く通りを抜け、静かな公園の前に来ていた。

強く彼女を抱き締めると全身から温もりが伝わってくる。
早鐘のようになり続ける心臓の音まで聞こえてくる。

「ゴメン。

俺のせいで仕事、辞めさせることになって。」

「そんな、こと言わないで…」
いつもより近く、より鮮明に聴こえるミナちゃんの声。
いつものシャンプーの香り、コートからはいつもの柔軟剤の香り。
俺の全神経はミナちゃんに注がれる。
そして全てを自分の物にしたい衝動にかられるーー。
唇を近づけた瞬間、手で押さえられる。

「言わせて…」

「え。」

すぅーっと息を吸い込み顔を見上げる。
うるうると潤んだ瞳、今にも泣きそうな顔してるミナちゃん。

「あ、あたしね、

スミくんのこと友達だと思ってる、今までも、これからも。

ごめんなさい。」

なんとかなるんじゃないか、そんな淡い期待はこの言葉で崩れ去る。




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